松屋の100円コーラ。戦略的メリットとデメリット

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松屋が100円のコーラを提供開始

松屋が100円でジョッキのコーラを提供し始めたことに注目が集まっています。
街中では100円でコーラは飲めません。自販機のコーラは120円以上が通例です。それが、自販機のコーラよりも多い量をより安い100円で提供する。本稿ではその狙いと注意点を整理します。

差別化と同質化

松屋がコーラを提供する狙いの1つは同業牛丼チェーンとの差別化です。
牛丼や定食を食べる際に、ビールを頼む気はないが、水では物足りないという層はそれなりに存在し、そうした層の満足度を高めるのが目的です。
また、松屋の業態をより広く「ファーストフード」と捉えると、ハンバーガーチェーンがどうしても競合となり、ハンバーガーチェーンと同質化し、不満を減らす目的もあると考えられます。ひょっとしたらそのうち、牛丼チェーンでもフライドポテトの販売が当たり前になるかもしれません。

粗利は小さいが・・

コーラを100円で販売しても粗利は微々たるものです。ただ、従業員の手間もかからないのであれば、この商品を増やしても人件費の増加は微小で、利益が損なわれる可能性は小さいでしょう。
それよりも、このコーラの提供は、牛丼チェーンのライバルとの差別化による顧客増加が大きな狙いと考えられ、少しでも顧客が増加すれば戦略としては正解でしょう。

単品で購入されると収益性圧迫

100円のコーラは利益がほとんど出ません。そのため、単品で購入されると収益性を大きく圧迫されます。そのため、テイクアウトでの提供はしないでしょうし、カフェ代わりにコーラだけで何時間も過ごされると店の収益性に致命的な影響が生じかねないことが、この戦略のデメリットです。

マクドナルドとの違い

100円商品で収益性を圧迫した例としてはマクドナルドが挙げられます。「100円マック」を充実させた結果、100円の商品を1つだけ購入して長時間居座る受験生の存在などが収益性を圧迫しました。
また、100円コーヒー単品のテイクアウトも受け付けた結果、クルーの業務が増加し、商品提供にかかる時間の増加が収益性を圧迫しました。
この点は、松屋は、テイクアウトの不提供や、ピーク時のカフェ利用のお断りなどで対応すると想定されます。

まとめ

利益のあがらない商品でも、顧客ニーズがある場合、その提供により、市場シェアを奪える可能性があります。しかし、その狙いが外れると、収益性を圧迫するというデメリットもあるため、「フリーライダー」対策は慎重に行う必要があります
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