新千歳空港ではさみ1本で大騒ぎ
新千歳空港のゲート内ではさみ1本(一丁?)が紛失し、空港機能が数時間、完全に停止したという報道がありました。たかがはさみ1本です。しかし、この対応は大変素晴らしいリスクマネジメント対応で異論がありません。
本稿では、このケースを参考にリスクマネジメントの考え方を整理します。
はっきりコスパは悪い
上記でたかがはさみ1本と書いた通り、たかがはさみ1つで何千人もの人を何時間も足止めするのは、常識的には費用対効果が見合いません。
この件では、ゲート内の店舗で、紐にくくりつけられていたはさみが紛失したケースですが、その形跡から何者かが意図的に紐を切断した疑いがありました。事故ではなく意図的にはさみを取り出したということは、そこに行為者の何らかの意図を考察せずには済まされません。
しかしその最大リスクは?
たかがはさみ1つですが、これをスルーしてしまうと、いずれかの便でそのはさみを用いて誰かが殺傷されたり、人質にとられてしまうかもしれません。空港管理者としてはこの責任を負うことを避けることがファーストチョイスになります。
たかがはさみ1つでゲートを封鎖すると、賠償問題が起きるかもしれません。しかし、正当な理由があり対応するのであれば免責される可能性が高く、まず考えるべきは、最大のリスクが何であり、その回避のためにどうすべきか、ということです。
対応してしっかりと説明する
さらに付言すると、このケースではきちんと経過を公表しています。公表しなければ納得できない旅行者が賠償請求してくる可能性があります。
判断にやましい事がないのであれば、きちんと適時に情報開示して周囲の理解を得る活動も不可欠です。
まとめ
以上のように、多くの利用者が利用する施設やプラットフォームの管理者には、ちょっとしたインシデントが起きたときでも、その最大のリスクを想定し、適切にリスク回避し、情報開示する必要があります。
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