悪質な路上販売で被害に遭わないための方策

リスクマネジメント

人通りの多い路上や店舗で迷惑商法被害が発生

人通りの多い商業施設通りなどをぶらぶらと見て回る方は多いのではないでしょうか。人通りが多いエリアは人気スポットですので、出店するにも家賃が高いです。そのため、変な店はないだろうと油断していると思わぬトラブルに巻き込まれがちなようです。
通常の物品販売は許可制ではないので、誰も指導監督しません。そのため、価格に見合わない劣悪な商品を強引に売りつけたり、客の予算を見切ってぼったくり価格で売りつけたりするケースがしばしば報道されています。のんびりウィンドウショッピングを楽しんでいたところ急にこうしたトラブルに巻き込まれてしまうと動揺して適切な対応ができない可能性が高まりがちです。
そこで本稿では、こうした悪質な商法に対する対策を事前の心構えから事後の法律上の救済まで包括的に解説いたします。

執拗な勧誘、暴言、脅迫

我々は買い物をする際、契約するかしないか、いくら支払うかは自由交渉です。そのため、色んな商品を見て回る中で、気になるものがあれば手にとって見たり、値札を見たりして、価格に見合うものであれば購入を申し込みますが、そこまでは自由に商品を見ることができ、契約を強要されないと考えるのが普通です。
しかし、悪質な店では、商品を手に取った瞬間、強引に商談を開始し、商談の中止を認めなかったり、言葉巧みに近寄って店に引き込んでいろんな商品を無理矢理押しつけたりするケースが報告させています。もちろん、暴力や脅迫で商品を買わせると強盗罪が成立しますが、こうした業者は、暴行や脅迫になるか微妙なラインで、長時間の迷惑な拘束を要求したり、身の危険を示唆するような暴言を交えたりするなど、客に不利益な事になるような対応を匂わせて泣く泣く商品を買わせるパターンが多く、対策が必要です。

本物かどうかわからない

こうした悪質な店では、そもそも商品が正規品ではないケースの方が多いと言われています。例えば大谷選手のグッズは正規品は長時間並ばなければ購入できず、ネットでの転売価格も高騰しています。ネットで高く売れるものをわざわざ家賃を支払って実店舗で売る必要がどこにあるでしょうか。
ブランド品、例えばエルメスやシャネルなどの商品を直営店以外で購入する場合、正規品を扱っているまっとうな業者は、客の質問に対して必ず正規品であることの証拠を提示できます。これに対し、悪質業者は、「それは企業秘密」「購入したら鑑定書をちゃんと渡す」などと言いますが当然、その義務が履行されることはありません。高いものを購入する際には必ず正規品であることの何らかの裏付けを確認できるまで、正式契約は行わないのが基本的な対応となります。

法律上の救済手段はあるが・・

商店街でぶらぶら歩いていると半ば強引に誘われ、迷惑的な言辞で不利益を示唆され、高額商品を買わされてしまった場合、個別の事情によりますが、特定商取引法の適用は難しくても、消費者契約法に基づいて契約を解消することができるケースは多いと考えられます。また、民法上の詐欺や錯誤の主張も可能ですが、これを主張するためには証拠が必要になりますので、迷惑な勧誘をされ始めたら、スマホをそっと録音モードにして音声を残しておくとその後の話が進めやすくなります。
どの法律構成を採用するかは、個別具体的な事情や証拠をふまえて弁護士が組み立てますが、何らかのかたちで契約の解消は実現するケースが多いと想定されます。しかし、それだけでは事件は完全には解決しないため、もう1工夫必要です。

金銭の回収はコスパが見合わないおそれ

契約を解消しただけでは事件は終わりではなく支払った代金の回収が重要ですが、これがなかなか簡単ではありません。裁判に勝つところまではそう難しくないでしょう。しかし、悪質なぼったくり店は「お金がない」と理屈以外のところでごねるケースが多く、裁判に勝てば強制執行はできますが、強制執行の対象を隠してしまったり、強制執行手続事態が費用対効果が見合わないケースもよくあります。
また、正規品でない偽物を扱う事業者は、商標法違反などにより警察の摘発が入るとあっさり廃業してしまいがちで、当然、収入がない事業者から代金の回収を受けるのは困難となります。こうして、悪質業者対策はお金をとにかく後払いして遅らせることが最優先で、金銭支払前か後かで弁護士による救済確率は大きく変わってしまう可能性があるので、この点は特に注意が必要です。

まとめ

昔からぼったくり被害のトラブルはしばしばありましたが、最近はその手口がどんどん巧妙化している感があります。巧妙化しているのは、①暴行・脅迫を用いずに巧妙に客に不利益を示唆する点、②事実関係や証拠関係をわかりいにくくし、客側に非があるような議論のすり替えをしがちな点、③返すべき金を隠す点、などの点が挙げられます。人気エリアなどへ買い物へ行った際にも油断することなく、怪しい店や店員に警戒心を持ち、欲しくないものには絶対に財布を開かないよう注意を尽くした上で、被害を感じたら速やかに弁護士に相談すべきです。
当研究所では、業歴20年を超えた弁護士が最後の金銭回収まであらゆる可能性を考慮して貴方の最善の問題解決策を考え抜きます。下記よりお気軽にご相談ください。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました