学習塾の倒産件数急増に見える経営戦略

事業再生

学習塾の倒産が急増

学習塾の倒産が急増しています。この報道に触れて、「当然だ!」と感じる派と、「意外だ!」と感じ得る派とに別れるように思います。本稿では、この件を掘り下げて、倒産に至らないよう前もって注視すべきポイントを紹介します。

教育産業は利益率が良い

なぜ学習塾が注目されるかというと、利益率が良いからです。
小売業や飲食業などであれば、仕入に費用を要し、売れ残りはそのまま損失になるうえ、仕入れた商品に自社で上乗せできる付加価値も限定されます。
しかし、教育産業ではこうした損失につながる仕入が少なく、良い教育をすれば顧客が集まる。付加価値をつける余裕が大きいことが、事業として大きな魅力です

少子化で激戦化

日本社会の今の大きな問題の1つに少子化があります。子どもが減るのは社会としてどうしようもありません。子どもが減るということは、学習塾産業においては顧客が減るということ。利益率は良くても、顧客が減っているのでは市場は激戦化します。
学習塾ビジネスはかなりシビアなレッドオーシャンであることは早くに認識しておくべきことです。

賃上げ傾向と、人材は定着しない

教える講師は大学生のアルバイトから採用しがちですが、当然、良い講師には高い賃金を払う必要がありますが、学習塾ビジネスの動向から、賃上げに二の足を踏む企業が多いです。サービス品質優先のビジネスでこれが悪手であることは多言不要でしょう。
そして、賃上げしても、優秀な学生は就職したり、本職の教師になったりで定着しないことも、企業が賃上げに二の足を踏む原因の1つでしょう。

人的資本投資が必要なビジネス

ここまで書いてくれば鋭い人は気づいていると思われますが、学習塾ビジネスでは、人気講師の存在が不可欠で、こうした講師を雇用する・内部育成するための内的な人的資本投資が重要なのです。
人的資本投資は大変奥が深いのですが、少なくとも、講師を募集して、安い賃金で使い倒すだけでは絶対に成功はできないでしょう。

まとめ

「人的資本投資」は目にしていても、自社には関係ないと思っている経営者も多いですが、実は学習塾のように昔からあるビジネスでも、人的資本は非常に重要なポイントとなります。当研究所では、無形資産の扱いに詳しい弁護士・弁理士・公認会計士・MBAが御社の人的資本戦略の成功に尽力します。下記よりお気軽にご相談下さい。

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