40前後になれば住宅ローンを組んで持ち家に住むのが一般的だが・・
人生の重要な決断は結婚と、住宅ローンだと言われます。後者は最大35年の支払で、給料から支払える範囲でローンを組むとなると、どうしても40前後に決断を迫られます。
この頃には子供は小学校に入っており、そろそろ子供部屋も必要かという観点もこの傾向を裏付けます。
しかし、現実には40前後の子育て世代が賃貸に住み続けるケースが増えているようです。そこで本稿ではそのメリット・デメリットを紹介します。
中古マンションも高すぎて手が出ない
新築マンションが高騰化している、という話は2011年の東日本大震災以降ずっと言われてきていることです。この頃は、復興優先で資材や労働力を都心部では安く仕入れにくくなったことが原因ですが、13年以上経った今も復興は途上で、資材は世界的に争奪戦です。
これに加え、物価高などで人件費等あらゆる原価項目が上振れしているため、まだまだ新築マンションは高騰化し、東京23区内では新築マンションの平均単価が1億円を超えたと言われています。
新築マンションを買えなかった方は築浅の中古マンションを求めるため、今では中古マンションも値下がりしにくい状況となっています。
離婚のリスク
子どものいる家庭でも離婚率があがっているという統計があります。ローンのあるマンションに住んでいて夫婦が離婚すると、必ず居住先で揉めます。子どもは住み慣れた家を離れたくなくても、親権者となる母がローン審査を通るのはなかなか困難ですし、例えば父親が不倫したので家から追い出した場合、残された母子に何のミスもなくても契約違反になってしまいます。さらに現代的にはペアローンはほぼほぼ、離婚時には解決不可能な問題だと思います。
そうしたリスクから、ローンを躊躇している夫婦もあるかもしれません。
適正な間取り
子どもがいる間は子ども部屋が欲しい。その間は住宅価格も高騰しているので夫婦同部屋で我慢する。今、住宅ローンを組んで住居を購入するご家庭はこのような判断で、本当は3LDKに住みたいけれど我慢して2LDKに住むことを選択するのかと思います。
夫婦で我慢して同部屋というのは、仲のよくないご家庭ではかなりのストレスになりますし、子どもが独り立ちして子ども部屋が空いた際にその間取りが最善なのか、という疑問も生じます。そこでその時々で使いやすい間取りの賃貸に住むというのは合理的です。
不便が生じたら移転が容易
40代になると管理職が近づいてきますが、管理職だからといって転勤がないという保障はありません。また、子どもの受験結果などによっては住む地域を変える方が圧倒的にゆっくり過ごせることもあります。
賃貸であればこうした不便が生じた場合、比較的容易に引っ越しができる点もメリットです。父親がローンを組んでも、ローンを理由に転勤を断ることはできませんし、子どもに長距離通学を強いるのも気が引けます。そうしたことから、子どもが大学に入るまでは賃貸に住んで弾力的に移転できる余地を残すのは賢い手法です。
老後資金は?
ここまで見ると、賃貸の方が良さげに見えますが、この方法には大きなデメリットがあります。リタイヤ後、どこに住むの?という話です。
住宅ローンを完済した家庭は、若干の維持費だけでその家に最期まで住み続けられます。しかし、賃貸の方は収入を失っても賃料を支払い続けなければならず、その負担が甚大です。
親の所有する実家を相続できるなどの見込みがない場合、リタイヤ後のプランニングがかなり難しくなります。
まとめ
生活スタイルが変わる間は賃貸の方がメリットがありますが、終活を考えるとやはり40前後で住宅ローンを「積み立て」始めるのが得策です。ご家庭のライフプランを考慮しながら慎重に判断すべきポイントです。
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