女性役員の登用が増加
上場企業を中心に女性役員の登用が進んでいます。そもそも男女平等の原則に戻りつつある、とも考えられますし、出産・育児で失った時間を取り戻す力強い女性が増えていると考えることもできるかもしれません。
男性だけの執行チームよりも女性が入った方が周囲を「おっ!」とさせ、注目を集めることができますが、形だけ女性を入れても何も組織は変わりません。
そこで本稿では、女性役員をどのように登用すれば良いかを説明します。
女性役員を登用すれば株価が上がる?
女性役員を登用すれば株価が上がる、という”噂”があります。欧米では積極的な女性登用は当たり前で、日本企業が女性を登用することは欧米のセオリーに従って成長しようとしてると、投資家から好意的な評価を得ることにつながりやすく、短期的には株価の上昇との相関関係も認められるようです。
ほとんど外部登用
ただ、日本企業の女性役員登用は、著名なアナウンサーやアスリート、弁護士や公認会計士等を外部から招聘して据えるもので内部昇格はほとんどないと言われています。
有名な女性を役員に据えるとそれだけで企業の士気はあがりますし、弁護士や公認会計士などいずれつけなといけないポジションなら、そこに女性をあてれば効率的だというのはわかりやすい考えです。
飾りでは意味がない
このような外部登用が成功するか否かはどの程度の権限をその女性役員に移譲するかで決まります。
内部昇格であればそれなりの権限は任せてもらえるでしょう。しかし、外部招聘役員とはスタートにおいて信頼関係がまだ十分に構築されていません。そのため、十分な権限が与えられずただのお飾りであるケースも多いようで、これでは企業は成長できません。
ダイバーシティを企業価値創出につなげる
女性役員の登用は、男性社会では出てこない意見を効率的に吸い上げて企業価値を創出することにつなげていくことに主眼があります。そのためには、きちんと優秀な女性を登用して権限を与えることが不可欠。形だけ女性役員を据えて。意思決定は男性だけで行うのでは意味がありません。
そのため、外部から登用する場合もその女性役員に何を任せられ、どのような企業の成長を期待するのかをきちんと描き、共有することが不可欠です。
まとめ
女性役員登用は形だけでは意味がなく、そのためには優秀な女性を引っ張り、大事な役割を任せることが必要で、むしろそれができるのは内部昇格の人材の方が適任であることが多いでしょう。出産のハンデを緩和する人事策を講じて、能力の高い女性が役員に昇進できる仕組みの構築が重要です。
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