大丈夫だと思っても必ず顧問弁護士に確認すべき法律分野4選

顧問契約

おそらく顧問弁護士に相談せずに独断で進めて炎上したと思われる事案が続出

企業の不祥事や、炎上事例の報道を見ていると、「これ、弁護士がチェックしたらすぐに黒だとわかるのに、相談しなかったのかな?」と感じるケースをしばしば見かけます。おそらく、担当者が法律違反になるなどとは全く疑わずに進めて大失敗したものと推察されます。
そこで本稿では、こうした顧問弁護士に相談しておくべき、素人がリスクに気づきにくい領域をピックアップして解説します

経済法(独占禁止法・下請法など)

日本郵便によるゆうパックの委託先からの違約金徴収が公正取引委員会から違法認定されたことに違和感を覚えた方は少なくないのではないでしょうか。
独占禁止法や下請法は条文は少ないものの、非常に広い領域をカバーしていて厄介です。この日本郵便のケースでは、委託者側が優位にあることからその地位を濫用して不当な経済的利益を受けたというものですが、独占禁止法ではその他にも、既存業者同士が示し合わせて新規参入を妨げたりする行為など、様々なパターンを規制しており、下請法も同様でなかなか個人ですべてを読み解くのは困難であることから顧問弁護士を頼ることが必須の領域です

景品表示法(ステマ)

ステマ規制に気づかなかった、というケースもしばしば報道されています。比較的新しい法律なのでまだ浸透していない面もあるのかと思いますが、インフルエンサーを起用する場合は、「広告」だとわかる表示をしなければなりません。
ステマ規制を一度理解すればすぐにわかるため、顧問弁護士への相談が必須とまでは言えないかも知れませんが、インフルエンサーやステマの扱いにまだ慣れていない組織では必ず顧問弁護士の確認をとるべきでしょう。

金融商品取引法(助言業全般)

タイトルは金融商品取引法ですが、助言業全般について注意は必要です。
金融商品取引法では金融商品の取扱についてかなり複雑な規制が設けられています。例えば一般論として複数社のパンフレットを見せながら、基本的な内容の住宅ローンの説明をする程度までは問題ありませんが、それを超えて実質的な助言や代理行為等に至ると処罰対象になってきます
同様に、税金の具体的な計算の助言をしたら税理士法に、法律の具体的な適用の助言をしたら弁護士法に違反するおそれが生じるなど、善意であっても助言業には超えてはならない一線があるため、顧問弁護士に確認してから行うのが望ましいです。

著作権法(知的財産権法全般)

著作権法も間違いやすい法律です。間違いやすいのは私的利用であれば適法な領域がかなり広い反面で、少しでも他人に共有するとすぐに違反となる構造などにあると考えられます。
知的財産法の中では著作権法が最も複雑ですが、その他の知的財産権法も似ていながら、実は法律毎に要件が全然異なり1つ1つチェックしながら慎重に進めなければ巨額の損害賠償につながりかねません。
その点で、ちょっとした他人のイラストや写真の利用であっても、顧問弁護士に逐一確認することが望ましいでしょう。

まとめ

以上のように、一般人の常識感覚では違法性に気づきにくいが、顧問弁護士に相談すればすぐにリスクが高いことがわかる領域はいくつかあります。
多くの企業では顧問料は月額低額で、相談が増えてもその月の費用は変わらないはずです(ただし相談が増えると翌年度の顧問料が増額されるおそれはあります)。そのため、ここで紹介したようなリスクが高い領域に関しては、必ず顧問弁護士に確認するよう心がけるべきでしょう。
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