新規事業を本社から分離して子会社で担当する理由

起業

成長のための新規事業。どう展開する?

順風満帆な企業でも中長期的に成長を続けるためには、余裕のあるタイミングで新規事業に着手する必要があります。
しかし、この新規事業の開拓はなかなかデリケートで、本社内で進めることができる場合もあれば、子会社を設立してそこに任せるケースも多いです。
本社のスラックを活用するため、子会社に飛ばされた人材は文字通り自身をスラック(余剰)だと認識して意識を低下させてしまうかもしれません。
そこで本稿では新規事業を子会社で担当するメリットを整理したいと思います。

子会社に分離しなければならない理由

新規事業は本社の余力を活用してスタートするもので、本来は本社の事業活動に関連する事業になるのが一般的です。
しかし、ダイナミックに世の中が変化する中で、中長期的に本社を支える事業は、本体事業とはかけ離れたものになる可能性は大きくなっています。
本社事業とかけ離れた事業についてはノウハウを有しないためリスクが高いです。また、本社理念とは異なる企業文化を再構築しなければならない可能性もあり、子会社に分離しなければリスクが高すぎるという問題があります。

組織体制の基本は機能別組織での専門性向上

組織体制にはいろいろありますが、多くの組織では機能別組織が採用されます。これが最も管理に有効であり、その中で個々人が専門性を高めて組織能力を高めることに適しているからです。
あまり関連性の低い事業を同社内で行う場合、この機能別組織がうまく機能しなくなるおそれがあります。例えば、評価基準が異なるため、部門間に不公平が生まれるなどです。
個々人が専門性を伸ばして企業価値を高めるためには、異なる事業は異なる会社で行うのが得策です。

採算性の評価

事業の成果は損益計算書を通じて検証される必要がありますが、異なる事業が同じ企業にあると事業別の業績評価が困難となり、逆に別会社だと極めて容易になります
こうした業績や採算性の評価のために、新規事業は戦略的に分離することがしばしばなされます。

適時の意思決定

事業を多数抱える企業では取締役会の議題も多数に上りやすく、トップダウンの意思決定は遅れがちになります。
これに対し、分社すれば新規事業は子会社の役員だけで円滑に意思決定できるため、適時の意思決定が容易であることもメリットです。

まとめ

新規事業の開拓はどんなに本業が順調な企業でも必要なもので、その第一歩は組織のスラック(余力)の活用ですが、本業の一部として行うことに固執すると色々と本業に支障が生じやすく、反発はあっても子会社に分離するのが正解であるケースは多いです。
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