内申書から出席日数が除外。その「企業における意味」とは?

リスクマネジメント

出席すればよいというものではない

学校の先生が作成する内申書から出席日数が除外されることとなりました。
なぜ出席日数がこれまで重視されていたかというと、「休まない子」は辛い時も頑張れ、組織に貢献できる、という点が重視されていたのかと思われます。
しかし、現代企業においては「休まない人材」を過度に優遇する必要はありません。本稿では、この点について多面的に分析します。

企業は労働生産性を高めたい

企業は一貫して労働生産性を高めたいと考えています。品質はその当然の前提としてあります。
一定の品質を備えた仕事をできる限り早く、少ない人数で完結するのが組織活動における勝利だと考えるわけです。
少ない人数でチーム仕事をすれば当然、できる人間ができない人間のフォローを余儀なくされる。これが無駄であるため、「休まない」「残業を厭わない」人材をこれまで重宝してきました。

フル稼働もいつの間にか当然の前提に

こうして少人数で労働生産性を高めようとするあまり、現存メンバーがフル稼働することもいつの間にか前提に落ち込んでいました。休む人間は論外で、自分を犠牲にして長時間残業する人材が組織への貢献度が高いと、謝った評価をうけがちでした。これが、有給休暇の消極取得文化につながっています。

休ませないことは違法

しかし、働き方改革や人材不足で、この前提では求人に募集が集まらず、さらには従業員からの残業代請求訴訟のリスクなどが大きく高まっています。
残業をして正確な仕事をする人は残業せずに同じ仕事を完遂することが求められ、
子育て世代は、子育てのために有給休暇やテレワークを活用するのが当たり前で、これを阻害すると違法となってしまうのが現代社会です。
これが前提となると、残業する従業員には「もっと早くやれ」、しかし働きすぎる従業員には「たまには休め」と、メリハリをつけた指導が必要になります

休みたい時に休めるのは当然の権利

こうして組織に所属する人間は休みたい時に休める権利を持つのが当然で、その上で労働生産性を上げる諸施策を練ることが必要です。
内申書から出席状況がなくなるのはそうした意味合いがあり、企業も採用活動において、「休まない人材」を重用したり、子育て世代を軽視しないよう注意が必要です。

まとめ

組織活動は難しくて、常に外部環境の変化への対応が余儀なくされ、今、その変化が激しいのが人材マネジメントの分野だと思われます
当研究所では、人材マネジメントに詳しい弁護士・公認会計士・MBAが御社の採用・定着戦略をサポートいたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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