気軽に値下げ要求する人がいるが・・
「もうちょっとまけてや!」とは、大阪なら挨拶みたいな言葉なのかもしれません。和やかに商談する中で、勢いで少しでも安くなれば、といった感じでしょうか。これを断っても商談は成立することの方が多いですが、時にしつこく値下げを主張される方もいます。
弁護士は個人も相手にした仕事をしますが、個人目線では弁護士費用は高く感じがちのようです。そのため値下げ要求はありますが、最終的に、値下げ要求に応じる可能性は低いのです。
本稿ではこの要求を退けるにあたって、どのような準備が必要かを整理します。
物価高と賃上げの強い要請
弁護士業務で言うと、特に「仕入」に該当する出費はありませんが、収入を増やさなければ行けませんし、事務員の賃上げの必要性を考慮すると弁護士費用の値下げなんてとんでもなく、むしろ値上げしていかなければならない状況にあります。
社会全体として物価高と賃上げの傾向があり、どの業界でも社会とリンクしている以上、安易に値下げできる業界などほとんどないでしょう。
どうして値上げしていくかが社会全体の共通課題になっています。
付加価値を作り込む
同じ品質で価格だけ上がれば、顧客はその商品サービスを購入しなくなります。そのため、価格を上げるためには付加価値を作り込むことが不可欠です。顧客の得られる効用を増す。利便性を増すなどの工夫を付加することによって、値上げしても売上点数を維持することが可能になります。
私が様々な業界に顔を出しているのも、単なる弁護士サービスだけでなく、隣接業種のスキルも取り込んだ新しいサービスの提供が目的で、どのような業界でも「基礎」をベースに、どんどん価値を作り込んでいく意識が必要です。
断る力
値下げ要求に対して折れる人は、その客を失うと売上が減少することを恐れての意思決定でしょう。そうならないためには、きちんと自信を持てる水準に付加価値を作り込むことが必要です。
付加価値を作り込むことができれば値上げもスムーズにできますし、値下げ要求はいわば作り込んだ付加価値を過小評価する行為ですので、迷いなく断ることができるでしょう。
二極化進行の見込み
こう考えると、社会は今後、はっきり二極化していくと想定されます。付加価値を作り込めない者は安売りで売上確保するしかありません。逆に付加価値を作り込める者は社会情勢に合わせて値上げを実行し、社会の成長と同程度の速度で成長を続けることができるでしょう。
10年ほど前、デフレのまっただ中では原価低減と安売りだけが唯一の戦略ですが、今では後者、すなわち、いかにして値上げするかがファーストチョイスになる時代だと考えられます。
まとめ
何十年来同じ商品・サービスを提供している者でも、原材料や人件費の高騰などにより、同じ価格で販売することは困難です。そのため、現代の顧客に受ける新しい付加価値を生み出した上で、適切に値上げを実行することが不可欠です。
当研究所では、社会情勢全般への対応力の強い弁護士・公認会計士・MBAが御社の事業戦略構築を全方位でサポートします。下記よりお気軽にご相談ください。
コメント