住宅ローンの多様化。あなたはどの要素を選好する?

リスクマネジメント

金利上昇により住宅ローンが多様化

世界的な傾向に合わせて、日本国内でも金利が上昇しています。
預金を預けたままにしていてもほとんど金利がつかないけれど、住宅ローンはどこで借りても超低金利で借りられる、そんな時代はもう終わりました。
金融機関毎で金利がバラバラに上昇する中、ニーズが多く、リスクも比較的低い住宅ローン市場で勝ち残ろうと、金融機関各社は様々な契約内容の差別化に奔走し始めました
本稿では、こうした住宅ローンの多様化と選び方を紹介したいと思います。

クレジットカード連携型

住宅ローン同様に、クレジットカードもポイント対価の差別化を打ち出して顧客獲得に奔走しています。そのため、住宅ローンを提供する金融会社と関係の深いクレジット会社があるケースでは、住宅ローン決済の一部をクレジットカードのポイントに還元する仕組みが設定されるパターンもしばしばあります。
クレジットカードで普段決済し、そのポイントを有効活用する方には、この連携はかなりおいしい契約となるかもしれません。

返済期間の長期化

住宅ローンは35年ローンが基本ですが、この返済期間を長期化する契約も増加しています
金融機関側の意図としては、リタイヤ後のローン返済の負担を重いと感じる契約者が多いことから、リタイヤ後でも、収入は減ってもできる仕事をしながらの返済や年金からの返済を容易にすることで自主的な返済を促すことにあります。もちろん、この段階までくれば物件価値は残債務よりも大きいため、最後は抵当権行使で確実に債権回収できるという意図もあるのでしょう。
ただ私は、住宅ローン契約締結の年齢が後ろ倒しになっている昨今の状況をふまえ、80代・90代まで住宅ローンの返済を迫るこの手法には限界があると感じています。

疾病リスク対応

若い現役世代でも、癌などの重篤な病気にかかる可能性はどうしてもあります。こうした病気に罹患すると仕事も制限され、必然的に住宅ローンの支払いは困難となります。
そこで、一定年齢以下の時期に事前に契約することで、癌などの重篤な病気にかかった場合に残債務の支払を猶予あるいは免除する契約も出ています。
癌の予兆が診断されてから契約することはできませんが、住宅ローン+がん保険にしたり、がん保険の組み込まれた住宅ローンを契約するなど、契約の選択肢の幅は広まっています。

ペアローンの解消

ペアローンの相契約者が失職や病気で業務に従事できない際に、その相方も残ローンを免れるという住宅ローンも出てきています。
特に関東圏では、1人の信用では中古マンション購入のローンも通りにくくなっており、ペアローンが当たり前になりつつありますが、ペアローンを組むと離婚時や、一方の急な失職・疾病時に家を手放す以外の選択肢が事実上ないことが問題となっていました。
団信の一環でこのペアローンの不安を解消する契約は非常に大きく、その分、金利や保険料はかなり高くなる可能性がありますが、万一への備えとしては非常に有用な契約だと言えます。

まとめ

これまで住宅ローンは超低金利での画一的な契約でしたが、金利等が金融機関毎に異なり、さらにリスク保険としての支払費用の上乗せをして一定のリスクを免れる契約も出てきました。契約前に自信のリスクを丁寧に精査することで、かなりお買い得な条件で契約できる幅が広まっています
当研究所では、法律・会計両面からリスクマネジメントの経験豊富な弁護士・公認会計士・CFPが貴方の最善のローン計画を伴走型でともに考え、助言いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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