「企業を大きくする」は外部環境をふまえて合理的な範囲で

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企業を大きくしたいのは当然の願いだが

「〇年間で従業員●百人、年商△億円を目指す」若い社長が良く言う言葉ですが、なかなか実現せず、また実現しない方が企業は長続きする皮肉な言葉でもあります。
企業を大きくしたい理由は、自身の収入をアップさせたり、企業経営を安定させたいなど様々な理由が挙がりますが、あまり急速な会社の拡大は逆効果になりがちです。
そこで本稿では、企業を大きくし過ぎる弊害を解説します。

1人が管理できる領域には限界がある

税理士事務所の経営において、所員が一定人数を超えると所長の収入がどんどん下がる、という法則があります。
税理士事務所の業務は士業の中では比較的定型的で、安い無資格者を雇用して仕事をとればどんどん儲かるはず・・・というのは大きな誤りです。
無資格者の業務を管理する資格者が必要であり、資格者が増えればその資格者を管理する手間が上位者に増加する。という具合に人による管理の限界から、人を増やしても比例的に生産が伸びるわけではないのです。

標準的な従業員の確保は簡単ではない

新しい従業員を雇うのは今の時代簡単ではありません。どこの業界でも人手不足で、優秀な人材は争奪戦です。
末端の事務職員なら最低賃金で雇えるだろう、というのも誤りで、最低賃金で雇える人材は最低限度の意識しか有しておらず、手抜きや職場内での悪口などで組織の生産性を悪化させてしまうリスクもあります。
人は補充すれば良い、という認識は早めに改めた方がよいでしょう。

景気や繁忙の影響も重要

退職代行業者に退職代行を申し出る従業員がいる。という報道がありました。退職代行業者は今が注目のピークの業種で、従業員のキャパ以上の仕事があり、現場はパンク寸前だと言われています。
こうして景気の良い時期に人手が足りないと社内の空気が悪化したり、サービス品質が落ちたりします。
逆に人を多く採用すると、景気の波が後退した際に人件費が収益を圧迫します。
自社がこうありたいという願望よりも、景気や繁忙といった外部環境に合わせて適切に必要な人材をそろえることが重要です。

信用獲得はeasy come easy go

どんな企業でも最初は小さく創業し、信用を積み重ねて大きくなっていきます。この信用獲得は簡単ではありません。
しかし、逆に信用失墜は些細なミスから簡単に起こります。そのため、従業員教育は徹底し、信用失墜防止を優先すべきなのですが、多くの企業は従業員教育よりも目先の利益を優先し、とれる仕事はすべてとったうえで現場に丸投げするため、どこかで信用を失い、成長がとまってしまいがちです。

まとめ

企業も社会の1構成要素である以上、経営者の意思1つで成長できるものではなく、外部環境とうまく波長を合わせて礼儀よく進めることが必要です。
当研究所では、企業価値の向上について多くの研究や助言を行ってきた弁護士・公認会計士・MBAが御社の成長速度の最適化をサポートいたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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