仕入数量が収益を決定づける
製造業では材料を仕入れて加工して最終製品を出荷します。材料が少なければ最終製品のアウトプットが減少し、材料が多いと在庫管理費用が嵩みます。
スーパーでは日々、最終商品を仕入れて回転させます。商品が少なければ閉店間近には店がスカスカになり、商品が多ければ廃棄損が増加します。
つまり仕入数量が収益獲得に重要で、本稿ではこのテーマについて解説します。
仕入数量が少ないと・・
いくら売れるかなんて誰も知る由はありません。もちろん、最善策は定価で売れる量ピッタリを仕入れることですが、それはもう「神の領域」です。
ここで定価で売れる量よりも少ないとどうなるでしょうか?
例えば1個あたり30円の粗利が出る100円のおにぎりが、200個需要がある中で、150個しか仕入れないと、50個分、売上を損します。1個あたりの粗利は30円なので、売上は5000円、利益は1500円の機会損失を出すこととなります。
仕入れ数量が多いと・・
逆に定価で売れる量よりも仕入れが多いとどうなるでしょう?
例えば1個100円のおにぎりが、200個需要がある中で、300個仕入れた場合、100個余ります。原価は70円なのでこのままでは7000円の廃棄損が発生し、値引き販売や経営者自ら食べるなどの手法により損失を減らす対応をすることとなります。
データサイエンスの活用
いくら売れるかは「神のみぞ知る」ことなのですが、過去の統計データがあれば、データサイエンスを活用してある程度確からしい販売量の範囲を特定することは可能です。
多くの経営者は仕入数量を勘や経験で判断していますが、収益に直結するこの項目は、過去データを集めて、PCに計算してもらうのが最も合理的です。
最適な収益計算には他の項目も考慮する必要がある
最適な仕入・販売数量がわかれば収益が最適化するわけではありません。最適な販売数量は、固定費の規模や損益分岐点によっても大きく変わりますし、営業社員のモチベーションなど、主観的な要素にも左右されます。
本当に最適な仕入数量を見極めるためにはデータと経営の知見を最大限に生かして精一杯その範囲を狭めることが必要で、これにより仕入数量判断の精度を上げて収益を確保する試みが必要です。
まとめ
仕入数量の判断は利益を大きく左右するため重要ですが、多くの経営者はこれを勘や経験で何となくこなしており、これが様々な業界で倒産の増加など窮境原因につながっています。
当研究所ではデータ分析に長けた弁護士。データサイエンティスト・MBAが御社の意思決定の自動化のために必要なプロセスをサポートします。下記よりお気軽にご相談ください。
コメント