人形劇(動画)に対してどう対処すべきか

知財戦略

YouTube人形劇は違法?

子育てママは忙しいので、料理中などに子どもにスマホを渡して動画を自由に見せることがあります。この時、有名なキャラクターのぬいぐるみを使った人形劇を子どもは選びがちですが、違法動画であるおそれや、変な言葉を覚えないためにそうした動画を見せたくない親も増えています
本稿ではこうした人形劇動画の違法性と、付き合い方を解説します。

人形劇動画は著作権法違反の可能性

漫画のキャラなどの人形を使った人形劇は、作家が書いたイラストを使うよりも難しい問題があるのですが、多くは著作権法違反で落ち着くと考えられます。
その意味で、人形劇動画を見せたくない、という親の思いは正しいです。ただ、著作権法違反だと断ずる根拠が乏しく、権利者側からのアクションが少ないことからなあなあになりがちなのが現状です。

件数が多く、対応しきれない

権利者側も問題動画は把握しているでしょうが、YouTubeは参加者が多く、かつ、個人がアカウントを一旦消して再登録することもできるので、件数が多すぎて対処しきれないのが現状です。
違法動画に対処しないと、同様の動画をアップロードする投稿者が増えて違法が合法に事実上塗り替えられてしまう状況に陥りがちです。

広告効果もあり対応方針が割れる

権利者が違法動画を粛清しないのは、追いきれないだけでなく人気動画は本家の人気も増大させる効果を生じているためです。
無料でCMを出せるならそれに乗る以外の選択肢はありません。この現象により、強気に対応すべきだという層を消極化させています

指針を示して、度を超えた投稿者だけ対応するのがセオリー

ここでヒントは動画実況サイトです。ゲームの動画実況は原則として違法ですが、ゲーム会社はPR効果も考慮して一定のルールの下で動画実況を容認しています。
そのルールには、「エンディングはネタバレしない」「特定の楽曲は使用しない」など、顧客誘引力のある知的財産の使用を制限することが多く、このルールの範囲内であれば著作権法違反は問わないが、ルールを逸脱した投稿者にだけ法的対応をする、というメリハリをつけた対応が一般的になっています。

まとめ

人形劇動画は違法の疑いが高いものですが、対応は意外に難しい厄介なものです。
当研究所では、知的財産に詳しい弁護士・公認会計士・MBAが法律・会計・経営を全般的に俯瞰して最善の解決策を導きます。下記よりお気軽にご相談ください。

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