二次著作のポテンシャル高まる
本来の作品ではなく、それを少し改変した二次著作が良い面でも悪い面でも重要性を増しています。
良い面では本来の作品の価値を高め、悪い面では本来の作品の価値を損なう、諸刃の刃として扱い方を理解しておく必要があります。
本稿では、この二次著作の良い面での活用法と、悪い面への対策を説明します。
タイパ重視の顧客向けのダイジェスト
スポーツや映画は概ね2時間程度ですが、最近ではリアルでは視聴せず、ダイジェストだけを見る層も増えています。2時間全体を見ることにタイムパフォーマンスが悪いと感じているようです。
そのため、例えば映画のDVDを売る場合に、フルタイム版だけでなくダイジェスト版も売るとか、広告宣伝目的で、ダイジェスト版をYouTubeなどにあげるなどの手法が有効です。
主たる著作権者の意向には要注意
ダイジェスト版を作るにしても、例えば映画であればその映画の主たる著作権者に確認が必要です。ダイジェストは二次創作であり、主たる著作権者の意思に反した映画の改変は違法となるためです。
近時、セクシー田中さんの件で、原作者とドラマプロデューサーの関係が話題になりましたが、原作者の意思に反したドラマでの改変ははっきり違法であり、ここはテレビ局がもっと原作者保護をはっきり打ち出すべきところだったと思います。
他人が著作権者の意思に反して行うのはもっとNG
YouTubeなどでは、作品の勝手な改変やダイジェストがしばしば見かけられますが、当然、著作権者の同意を得ないこうした動画を配信するのは明確に著作権法違反です。
こうした違法動画ままだまだ現在の技術では検知が難しいのかもしれませんが、第三者通報もふまえてもっと厳格に取り扱う姿勢が社会で必要なのでしょう。
生成AIが無秩序に拡散するおそれ
現代的に一番のリスクは生成AI。生成AIは様々な情報に依拠して新しい作品を生み出している・・・つもりなのでしょうが、人間が判断したら著作権侵害の生成物は多数報告されています。
こうした生成AIの生成物は短時間に多数に及ぶため、人の手が追いつかない速度で拡散される危険を払いでいることには、これからますます注意が必要です。
まとめ
二次著作は、本来の作品価値を引き出す力があるとともに、本来の作品の魅力にただ乗りし、奪い取る可能性も秘めている扱いの難しいものです。適切に対処するためには知的財産法とITに両方詳しい専門家に早めの相談が不可欠です。
当研究所では、知的財産とIT双方に知見と経験が豊富な弁護士・弁理士・公認会計士・ITストラテジストが御社の知財戦略について、生成AIの脅威への対応を含めて全般的に対応します。下記よりお気軽にご相談ください。
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