不祥事対応時の弁護士のコンサル的活用法

リスクマネジメント

弁護士の活用法が多様化

不祥事対応などの際に弁護士をコンサルのように活用するケースが増加しています。
法律の専門家である弁護士は、法律を遵守させる、法律に従ったらどうなるかを読み解くのが基本的な活用法ですが、不祥事が発生した際に、そのダメージを最小限に抑える役割を任せられることも増えています。本稿ではこのような新しい弁護士の活用事例を紹介します。

まずは事実確認

不祥事が発生した際にまずすべきは、正確な事実確認です。事実確認を誤ると、その後の手続がどんどん後手に回っていくためです。
この段階で相談に乗れる専門家は他にもいますが、弁護士は客観的な証拠から何が言えるか、整合しない各人の供述の中で虚偽を述べているのは誰かを判断する仕事を日常的に行っているため、正確な事実確認を行う上で重要な意見を述べることができます

どこまで開示する?

確認のできた事実はできる限り速やかにステークホルダーに事実開示するのが望ましいです。しかし、内容によっては開示したくない事実が含まれているかもしれません。ここで、企業内部でこの判断をする場合、感情的に企業として開示したくないから開示しない、という結論に向かいがちです。
しかし、開示しなかった事実が後に第三者から明らかにされてしまうと、企業としての信用が失墜してしまいます。
ここで、弁護士であれば客観的な証拠関係から、どこまでの事実は隠しきれないことを把握でき、無謀な事実非公開に反対することが期待されます

再発防止策の策定

不祥事対応のヤマは、再発防止策の策定です。単に従業員の教育をしっかり行います、だけではステークホルダーは納得しませんし、往々にして不祥事の一番の責任を負う役員に甘い対策に終始しがちです。
この側面においても、弁護士であれば客観的な目線で、誰がどう態度を改めなければならないか、実効的な意見を出すことが可能です

結論ありきを押し付けない

企業内部で不祥事対応をすると、不祥事の原因となった役員の責任を免除して甘い対応に終始しがちです。弁護士が入っても、当該結論ありきでまとめようとするケースが多いですが、リスクマネジメントに精通した弁護士であれば、これを追認することに意味がないことを知っており、企業の結論ありきの態度に一石を投じることができます

まとめ

以上のように、弁護士が不祥事対応の初期から議論に入れば客観的目線から、企業の対応が脱線することを防止することに貢献可能です。ただ、そのためには単に法律だけを知っていればよいわけではなく、経営や会計など幅広い企業実務に精通している専門家であることが望ましいです。
当研究所では、経営・会計・ITにも詳しい弁護士が御社の企業活動全体を理解したうえでの最善のリスクマネジメントサービスを提供いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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