東邦ガスが追徴課税
東邦ガスが、仕入代金の決裁にあたり法律上認められない金融商品を活用したとして追徴課税が言い渡される事件がありました。同社は、適法だとして争う意向を示しています。
これはかなり難解な法的問題で、おそらく税務の専門性の高い弁護士に入念にチェックを受けた上での行動だと思いますが、こうした専門家のチェックを受けた案件でも違法を指摘されて思わぬ負担を被るおそれがあります。
そこで本稿では、弁護士のリーガルチェックの活用方法を整理したいと思います。
答えの出る問題は社内人材で解決できる
顧問弁護士のもとには様々なリーガルチェックが依頼され、顧問弁護士はまずその難易度を確認します。依頼の中にはネットや書籍をあたればすぐに解決できるものも含まれ、こうした案件は修行も兼ねて若手弁護士に割り振ることが多いです。
このような少し調べればわかる事は、リーガルテックが発達した今後は社内人材で解決できるようになるため、こうした相談は社内で解決し、顧問弁護士への依存度を減らす傾向が強まると考えられます。
答えの出ない問題は理論武装の精度で判断
冒頭の税務の問題など、過去に裁判例のないケースの相談などでは、専門性の高い弁護士がいくら考えても答えの出ない場合も多いです。
それでも、「答えなし」という回答をするわけにはいかないため、こうした場合弁護士は、関連する材料を精一杯集めた上で一つの結論を出し、その理屈づけを深める努力をします。
答えの出ない案件で答えを求めても仕方なく、ここで依頼者側は、弁護士の考えた理論武装が十分かどうか、腑に落ちない部分がないかどうかを確認して意思決定の判断をすべきです。
行政の判断も人の判断
行政の判断がどうなるか、という相談も弁護士のもとには多く寄せられますが、行政判断も人の判断で、バラツキがあったり、結論ありきの判断となることはよくあります。
この際に、理論武装が十分であれば、訴訟で争うかの判断がかなり楽になるため、しっかり理屈づけを考えておくことが大事です。
訴訟で勝訴するためのコスト
訴訟をする場合、当然勝率を踏まえて判断するわけですが、仮に勝訴したとしても、そのためにかかる時間やコストを考えると得策でない場合もしばしばあるケースです。
弁護士にリーガルチェックを依頼して回答を受ける際、裁判になって勝訴できる確率、必要な時間と費用も見積もってもらうと訴訟をするか否かの判断もしやすくなるでしょう。
まとめ
弁護士はいくら専門性の高い人でも万能ではなく、確率的な事項した回答できないケースはしばしばあります。そうした場面では、確率の精度を高めて、確率的に自社に最も有利なのは何であるかを把握することが重要です。
当研究所では、経営を中心に幅広い分野に精通した弁護士・公認会計士・MBAが御社を全面的にサポートいたします。下記よりお気軽にご相談ください。
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