リバースモーゲージ。契約する前にこのリスクだけは確認を

相続・事業承継

リバースモーゲージの活用は増加

リバースモーゲージの活用が増加しています。リバースモーゲージとは、家屋を担保に入れて老後資金を借り入れる手法で、収入が減少する中で、まとまった老後資金を入手する有力な手法です。しかし、様々な要因で返済不能に陥り、家から追い出されてしまうリスクもあります。
そこで本稿では、どのようなリスクがあり、どのように対処すべきかを整理します。

物件価値下落のリスク

リバースモーゲージ契約時には、担保の対象となる建物は既に劣化が進んでおり、その後さらに劣化が進行するリスクがあります。
劣化が進むと建物価値が下落し、この価値が担保価格を下回ると、追加で担保を積まなければならない可能性も生じます。これを積めないと契約違反で退去を余儀なくされてしまうため、リバースモーゲージの借入額は返済期限最終段階に予想される物件価値をふまえて決めた方が良いでしょう。

金利上昇リスク

近時、日本でも金利が上昇しています。金利が上昇するということは、毎月の返済額も増えるということ。1月あたりの金額は小さくとも全期間累積すると非常に大きな違いになることが多いです。
日本は低金利の時代が長く、契約前に紹介されるモデルも低金利モデルが多いため、この点をついつい勘違いしてしまいがちですが、金利が上がるとどのような問題があるのか、という点については、しつこいくらいに質問しながら注意していく必要があります。

資金繰りリスク

リバースモーゲージは老後資金をもらえるのではなく、毎月返済します。借りたお金に利息をつけて返すだけでは損ですので、借りたまとまったお金は何(リフォーム?介護用品?)に使うか、と、毎月の返済はどのように行っていくかなど、お金のIN~OUTの計画はしっかりと立てる必要があります

契約前に計画が不可欠

リバースモーゲージのリスクは上記ですべてではありませんが、要は勧められるがままになんとなく話を進めてよいものではなく、様々なリスクをふまえて適切に計画を立てる必要があります。
そのためには、お金を貸そうとする金融機関のいいなりになるのではなく、FP等の専門家に相談することが最も確実です。単に金利が上昇したら・・、物件価値が下落したら、で考えるのではなく具体的な数値を用いながら感度分析を行って、どの程度リスクが顕在化するとどんな危険が生じるのか整理するのが有効です。

まとめ

以上のように、リバースモーゲージは良い工夫なのですが、リスクをきちんと認識した上でそれをどう回避するか意外にたくさん考えることがあります
当研究所では、相続案件の経験豊富な弁護士・CFPが貴方の老後設計全般をトータルにサポートします。下記よりお気軽にご相談ください。

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