ラーメン屋の倒産件数が急増。対策はいたってシンプル

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ラーメン屋の倒産件数が急増

ラーメン屋の倒産件数が急増しているという報道があります。
どの業界でも淘汰は進んでいて、仕入や人件費の高騰を価格転嫁できない業者は廃業を余儀なくされています。
飲食業全体がコロナ前後から苦しい中、ラーメン屋は少し飲食業の中でも状況が異なりました。
看板メニューがあれば、総メニューは多くなくてよく、在庫やコスト管理が他の飲食業よりも比較的やりやすかった面があります。しかし、今は看板メニューが逆に経営を圧迫しているかもしれない状況で、本稿ではラーメン屋が収益を確保するいたってシンプルな方向性を説明します。

原価高騰

ラーメン屋の現在の窮境要因は、材料の高騰が一番大きいです。とはいえ、多くのラーメン屋は外国産の素材にこだわっており、コスト削減自体はできないわけではありません。
多くのラーメン屋は、店長の求める味の提供を最優先しており、例えば国内で調達可能な卵なども海外からの輸入に頼っています。当然、円安下では原価高騰に直結しますが、それでも国産食材に切り替えようとしないこだわりが、ラーメン屋の特徴であり、私は弱点だと思います。

自分の提供したいクオリティを優先するか・・

ラーメン屋を開業する際、当然、価格帯を検討しますが、低価格帯は薄利でしかも大手資本にかなわないため、多くの方は高クオリティ・高価格を目指します。一生懸命頑張ってスキルを得てきた店長にとってはそれが社会への最大の価値の提供であり、やりたいことだからです。
しかし、1杯1500円を超えるラーメンを食べたいと思う層は限定的です。そのため、クオリティ勝負をして高クオリティ商品を提供し続けても、需要が限定されているため勝者の数も限定されてしまうのが実情です。

顧客ニーズを優先するか・・

一方でラーメンの顧客ニーズは上記の店長の思惑とは違うところにあります。高クオリティのラーメンの需要は限定的で、ランチなら「早くてほどほどのクオリティで安い」、締めラーメンなら「ビールと合って、味はほどほどで良いので満腹感を得たい」といったところが顧客ニーズになります。
この顧客ニーズはそれほど高い要求ではなく、季節の仕入状況をふまえて調整すればその充足はそう難しいミッションではないと考えられます。

1000円の壁

ラーメンに関しては「1000円の壁」があると言われます。1杯1000円を超えると割高に感じてリピート率が大きく下がる現象です。
ラーメン屋が生き残るためには、仕入を管理して、固定メニューを減らし、その季節毎に安く仕入れられる食材をうまく組み合わせて1000円以内でクオリティを高めることです。
しかし、大多数のラーメン屋は自分の得意な、自分が社会に提供したい味を優先するため、価格と顧客の感じるクオリティの間にギャップが生じてしまうのが大きな失敗要因です。

まとめ

「お客様は神様です」はもう古い言葉ですが、サービス業では特に、顧客目線での満足度に注意を払う必要があります。自分が得意な仕事であっても、原価高騰で割高となれば評価されにくくなります。商売の基本は顧客目線であり、いかに限られた資源の中で顧客価値を最大化するかという意識は絶対に忘れてはなりません。
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