ラーメン屋の倒産傾向が増加傾向の反面で、中華料理屋は堅調
ラーメン屋の倒産傾向が増加傾向にあります。ラーメン屋の苦境は時々耳にしますが、似て非なる中華料理屋は堅調な業績を維持できているようです。
「どうせ食べるならおいしいものを食べたい」専門性を求める顧客は、大衆中華料理店よりも有名ラーメン店を選好しそうですがそうではありません。本稿ではこの事情から、飲食店における専門性と大衆性のバランスのとり方を考察します。
ラーメン屋は「付加価値」勝負の業界
ラーメンはクオリティ重視の商品であるため、安売り勝負で稼げる業界ではなく、様々な匠が至高のラーメンを追及し続けています。
ラーメンの有名店に行くと、他では食べられない唯一無二の経験を得られる反面で、滞在時間が短く、満足度は高くないという課題はどこの店も抱えています。
1000円が限界
インバウンドは抜きにして、国内客だけを相手にすると、1杯のラーメンは1000円以上にすると極端に売り上げが落ちると言われています。付加価値を上げなければならない中で、価格の上限を定めなければならないのはかなりの制限で、これがラーメン業界の抱える大きな足かせになっています。
中華料理屋は安い酒やラーメンが売れる
中華料理屋も付加価値を重視するなら1人1万円以上のコースになりますが、大衆中華屋では面白いように安い酒やラーメンが売れます。
客の望みは安く満足したいで、店の望みも原価をかけずに「客単価を上げたい」なので利害がマッチして、客単価やリピート率が上がります。
収益は収益性とリピート率
最終的な収益はいかに収益性の高いものをどの程度売ったかに依ります。
ラーメン屋は価格の上限付きの付加価値競争の中で、収益性が圧迫され続ける商品を、リピート率の低い顧客に売るため効率が良くありません。
他方で大衆中華料理屋は、飲食業界の中では比較的収益性の良い商品を売りながら、リピート率も高いため収益がついてきやすいです。
まとめ
有名ラーメン店の店長が色々苦しんでいる傍らで、普通の中華料理屋が悠々と経営するというのは違和感がありますが、これはまず何より管理会計に則って事業計画をしっかり構築すべきことを示唆しています。
当研究所では、公認会計士・弁護士・MBAが御社の事業計画を総合的にサポートします。下記よりお気軽にご相談ください。
コメント