ちょとしたミスはごまかしたくなるが
うっかり顧客の情報を漏洩してしまった!など、ちょっとしたミスは誰にでもどんな企業にもあります。ミスは素直に謝って同じミスを犯さないように気をつけるのが基本ですが、ペナルティを恐れるあまり、ついついごまかしたくなることは誰にでもあります。しかし、その誤魔化しによってかえって事態が悪化してしまうこともしばしばあります。
そこで本稿では、ミスをした場合にどのように対応すればよいかを解説します。
隠ぺい可能性の検討
ちょっとしたミスで過大なペナルティを受ける場合、そのミスを隠蔽しようと考えがちです。ここで重要なのは隠ぺいありきでその手法を考えるのではなく、隠ぺいが可能であるのかを冷静に分析することです。隠ぺいするために嘘をついたり誰かに協力を求めるのは現実的ではありません。そうした実現可能性をふまえて次の行動を選択する必要があります。
刑事事件発展の可能性
もしそのミスが刑事事件に発展する可能性がある場合、隠ぺいするために嘘をつくのは最悪の選択です。嘘をつくことで別の犯罪を生じる可能性がありますし、取り調べの際の弁解の幅が狭まり、裁判において量刑上不利に扱われるなど踏んだり蹴ったりになります。
刑事事件に発展しそうだから隠ぺいするのではなく、刑事事件に発展しそうだから嘘は絶対にNGだと肝に銘じておくべきです。
基本は再発防止と公表
ミスは誰にでもあることで、決して許されないものではありません。そのため、基本的な対応はミスの発生原因を確認し、再発防止のために何をするかです。ミスはいずれバレますので、自発的にミスの内容・原因・再発防止の方法を公表する方が信用失墜を最小限におさえることにつながります。
何が損失を最小化する手段か
ミスをした場合、これによって損失発生は確定します。この損失をゼロにしようと強引な方法をとるとかえって損失が広がってしまうおそれがあるため、最初に考えるべきは「どうすれば損失を最小化できるか」ということです。弁護士への依頼も損失をゼロにする方法を教えてくれ、というものがしばしばありますが、嘘が最悪手であることをふまえ、損失の最小化の観点で助言することが多いです。
まとめ
ミスはついつい隠ぺいしたくなりますが、大事なのは損失の最小化であり、そのためには速やかに原因分析から再発防止策の策定まで行い、適切な方法で公表することが最善手であることが多いです。
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