ブランド戦略の主体は誰か?
ブランド戦略を構築する際、その主体は誰かという問題があります。
経営者?経営者が検討するとは全社的な商品販売戦略であり、ブランド戦略とは一部重なり合いますが、同じものではありません。
マーケティング担当者?個別の商品の担当者?担当する商品が絞られれば絞られるほど、いかに今売るかよりも将来的に長く売るか、LTVの観点が重要になっていきます。これに合わせてブランド戦略と重なり合う部分も大きくなっていくのですが、やはりこうした方々もブランド戦略についての責任者かというと疑問符がつきます。
モノ消費からコト消費へ、そして消費者接点の多様化
ここでまず、サービスではなく有形の商品を売ることにフォーカスします。モノの販売で重要なのは当然、モノの品質であるため、品質を作りこむことが必要ですが、近時、モノ消費からコト消費にどんどんシフトしており、また、顧客がモノを買う手法も多様化していることから、たとえ商品は良くとも、購買の前後でストレスを感じるようであれば、高評価の口コミやシェアは期待できず、売り切り型の商売になってしまいます。
商品の販売であっても、販売前後のサービスを充実させることは、差別化の意味でももはや当然の事となりつつあります。
全従業員を巻き込むことが大事
顧客が商品をスマートフォンで検索することから、その情報のキープ、試用、注文から購入までのプロセス、返品手続、修理などアフターサービス、SNSでのシェア、顧客はこうした流れをできる限りストレスなく済ませたいと考えており、商品販売であっても、こうした長いプロセスの中ではほぼ全従業員が関わってきます。
また、顧客の特質や、適切なサービスの内容は、地域の風習によって大きく変わる部分もあり、本社がすべて決めてトップダウンで落とし込むだけでなく、支社からの忌憚ない意見もきちんと吸い上げる必要があります。
まとめ
以上を整理すると、ブランド戦略の担い手は全従業員であり、たとえば、社長のイニシアチブのもとで、定期的に部門横断的なブランディング検討会を全員参加で行い、そこで出た案の中から全社的な戦略に合致するものをブランド戦略として採用していく、というようなやり方が望ましいと考えられます。
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