デジタル終活をしておかなければ大きな混乱に
「終活」の必要性が増していますが、特にデジタル終活は早めに行っておかなければ残された方に大きな混乱を生じることが指摘されています。
例えばサブスクリプションサービスは解約しない限り対価が引き落とされ続け、遺産の減少や債務発生のもととなります。また、デジタル資産を見落としたことによって遺産分割をやり直すこととなったり、相続税の追徴が発生するなどのリスクもあります。
そこで本稿では、デジタル終活のポイントや手順を紹介します。
契約リストの作成と明示
デジタル終活の基本はまずは、デジタルに関する契約をすべてリストアップすることです。「デジタルに関する契約」にはスマホや、迷子防止のためのGPSサービスなども含みます。
少し前まではこうした契約があれば、年に1回は何らかの郵便物が届くため、郵便物から契約の存在を推認することができましたが、今では郵便物を発送しない契約も増加しているため、何を契約しているかをわかりやすく明示する必要があります。これは契約の存在だけなので、親族に知られても問題なく、支障なければ作成したリストを親族に渡しておくことも大事な対策です。
パスワードリストの作成と管理
次にすべきは各契約のパスワードの書き出しです。デジタル契約では本人確認のために必ずパスワードが必要になります。このパスワードが、契約先の指定により、大文字・小文字・数字を混ぜなければいけなかったりハイフンなどの記号を入れなければいけなかったりで契約事にバラバラなパスワードが利用されがちです。そのため、まずは自身の備忘もかねて、パスワードをワードファイルにすべて書き出してみましょう。これによりパスワードを忘れた際にすぐに確認できます。
そしてこのパスワードリストは親族に隠す方が多いですが、このワードファイルのパスワードを自身の誕生日など簡易なものに設定しておけば、後で親族が確認することができて混乱を回避することができます。
エンディングノートの作成
以上まで完了すれば後は残された方でなんとかできそうですが、より正確に自身の希望を伝えるのであればエンディングノート作成が望ましいです。遺言書を作成する場合、所定の様式に乗らなければならないため、弁護士等に相談する必要がありませんが、遺産分割の指定など以外の事項については、エンディングノートに自身の思いを書いておくことで、より正確に親族に対応してもらうことが期待でき、大事な終活になります。
事業運営などをしている場合
企業の顧問などとしてまだ稼働されている方においては、急にいなくなると企業活動に支障が生じるおそれがあります。そこで、多少でも健康に不安のある方は、自身がもしいなくなった後には誰を中心にどのように対応すべきか、指針を残しておくだけでも残された方には大変ありがたく、重要な任務を抱えている方は少し早めにエンディングノートを書き始めた方が良いでしょう。
まとめ
人はいつ死ぬか予測できませんが、準備せずにデジタル契約を残されると遺族は大変迷惑を被るため、早めの対策が重要です。
当研究所では相続案件の経験が豊富でデジタルにも詳しい弁護士・公認会計士・ITストラテジストが貴方の終活を全方位でサポートします。下記よりお気軽にご相談ください。
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