タスク副業で詐欺が多発
タスク副業で詐欺が多発していると言われています。主なやり口は大きく2つ。1つは依頼する仕事内容を明確にせずに作業させて、目的に沿っていないとか、ミスがあると難癖をつけて賠償を求めるケース、もう1つは簡単な仕事で報酬を支払って口座情報を入手し、その口座を別の犯罪に悪用するケースです。
スキマ時間を活用して社会に貢献しようとしたのに犯罪に巻き込まれては全く割に合いません。そこで本稿では、こうしたタスク副業で騙されないために注意すべきポイントを整理したいと思います。
タスクの難易と報酬のバランスがとれていないのは怪しい
副業を探すに際し、楽な仕事であるかという観点で探す人は多いと思います。しかし、楽な仕事は引き受け手が多いため、通常は報酬は安くなります。この法則に反して、タスクの難易度と報酬のバランスがとれていないバイトは怪しく、おいしい案件では決してなく、高い報酬を支払う裏があるのでは?と、疑ってかかることが必要です。例えば特定のサイトを開いてスクリーンショットを送付するだけで数万円、といった仕事などのことを指します。
タスクの内容がわからないまま見切り発車しない
仕事は求められる内容を正確に把握してこなさなければ、クレームや不満のもととなります。コロナ禍以降、オンライン上でのコミュニケーションが増加しましたが、求められる内容がよく分からない場合、私は必ず電話で内容を確認します。
「いつもと一緒で良いだろう」「とりあえず進めてみよう」「なんとかなるだろう」と見切り発車してしまうと、相手の意図に反した仕事をしてしまい、報酬どころか下手をすれば賠償問題に発展しかねません。
最初は口コミを頼りに手堅く
怪しいスキマバイトは、こうした要素に着目すればある程度は見分けられますが、初めてオンラインでバイトに応募し、業務をするような場合、なかなかこの見分けは難しいかもしれません。そこで、こうした場合には、まず何より口コミをチェックし、実際にその業務に従事した人がいること、業務をこなして報酬を受け取るまでの間にトラブルがなかったことを確認することが有効です。
このほか、最初はある程度有名な企業の仕事から始め、名前も知らない企業とは取引を見送ることも、自衛のために大事な対策です。
最終的には自らの強みを逆に売り込む
スキマバイトにかかわらずほとんどの仕事に共通することだと思いますが、最初は仕事を任せる側のニーズに応えるかたちで仕事を始めます。そこで熟練度を得ると、早く正確に仕事をこなせるようになりますが、その熟練度の高度化に合わせたペースでは賃金は高くなりません。
そこで、どこかのタイミングで「売り手」側から自身の強みを売り込み、どんな仕事をいくらで売り込むか決めていくことが大事なターニングポイントになります。ここに至れば、業務内容か価格どちらかの違和感に気づいて犯罪組織との契約を回避することができるでしょう。
まとめ
スキマバイトに限らず、スマホを介した取引は慎重に行う必要があります。相手がどんな悪意を有しているかわかりませんし、対面と比べて正確に相手の意図をくみ取ることが困難だからです。犯罪被害を恐れていてはこのデジタル社会でスムーズな生活は送れませんが、オンラインの先を安易に信じずに、ちょっとした違和感に気づけるようリテラシーを磨くことが不可欠です。
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