高校サッカー決勝の中継で炎上。あるべき放映の在り方は?

顧問契約

高校サッカー中継が時間切れで最後の場面が放映されず

今年の高校サッカーの中継で大きな問題が起きました。前橋育英高校と流通経済大柏高校の決勝戦は延長戦でも決着がつかずにPK戦に、PK戦ももつれ、7人目のところでCMが入りそのまま中継終了。地上波放送ではその後のニュースで結果が報道され、無料ウェブ配信のTverには視聴者が殺到して通常視聴が困難となる混乱が発生しました。
仕事は完遂して初めて意味があり、このサッカー中継の完遂とはせめて決着の瞬間まで放映することでした。本稿では、それができなかった背景もふまえながら、対応策を説明します。

スポンサー契約は時間が限られている

地上波の番組は言わずもがな、スポンサーによって成立しています。テレビCMははっきり高い投資で、対象番組の人気をふまえながら、どの範囲の時間にどの程度のCMを出すか慎重に検討され、契約を締結します。
延長戦になったとしても簡単にスポンサー契約も延長するわけにはいかず、後の番組への広告主の意向にも配慮する必要があるため、融通がつきにくい点が課題です。

野球は中継ノウハウがある

延長戦への耐性の低い地上波のスポーツ中継ですが、高校野球や一部のプロ野球の試合は試合終了まで試合中継を続けます。高校野球や、関西地区での阪神戦などは試合終了まで見る層も多く、試合終了まで放映しないと苦情も大きいことから、スポンサーが試合終了までの追加後援を予め約束するケースも多いためです。
ただしこれは人気の試合だけで、プロ野球でも地上波放送は21時に終了する試合の方が多いのが実情です。

高校サッカーの視聴率

高校サッカーの話に戻って、高校サッカーも視聴率がとれれば試合終了まで中継は可能で、休日の昼間なので夜間のゴールデンタイムに比べてCM単価も低いはずなのですが、今回日テレが中継を寸断したのは視聴率が低いことに伴うスポンサーの後援不足が原因です。
サッカー界は優秀な選手はクラブ傘下のチームでどんどんデビューし、高校サッカーには高校野球ほどのスターは残っておらず、卒業後プロになる選手も僅かです。
そうした背景からスポンサーの後援を取り付けられなかったことが最後まで中継されなかった要因です。

テレビ局の役割は視聴者を最後まで導くこと

スポンサーからお金を出してもらえなかったことはともかく、テレビ局はあんな大事なところで視聴者を放り出した点については反省が必要と考えます。テレビ局の役割は視聴者を最後まで導くこと。副音声で試合を延長できるならそちらに誘導、ウェブに誘導するならQRコードですぐに入れるよう誘導することは必須だったと思われます。
思わぬ急な負担でTverのサーバーが持たなかったことも言い訳になりませんが、それもまた大事な情報。次は途中で中継を終了する場合どこに誘導するかを活発に議論する材料になってほしいと思います。

まとめ

今回の件で試合を最後まで見届けられなかったファンが怒るのはもっともなこと。スポンサーからのお金に上限がある場合、番組制作は限定されますが、中途半端に終わってよいわけではなく、きちんと視聴者を最後まで導いて仕事を完遂することが不可欠です。
当研究所では、リスクマネジメントや利害調整経験の豊富な弁護士が御社の抱える課題に全方位で対応します。下記よりお気軽にご相談ください。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました