VC(ベンチャーキャピタル)は意外なところを見る
スタートアップが資金調達する際、オーソドックスにはベンターキャピタルから引っ張ってくることが多いです。ベンチャーキャピタルはベンチャー企業のサポートに主眼を置く組織ですので、当然、事業に見込みがあるか、安定性や将来性も含めて多くの視点で分析されるわけですが、見込みのある事業であれば当然、融資を受けられるわけではありません。
本稿では、VCから資金調達するにあたり、事業本体以外に特に注力しなければいけない点を整理します。
組織体制
事業に次いで、あるいは事業本体と同レベルで重視されるのが組織体制です。例えば特異な技術を活用する事業である場合、当該技術について、どの程度の専門性を有するメンバーが揃っているのか、当該技術の活用に必要な従業員は十分に集められているか、などは特に注意深くチェックされます。
最近では、顧問弁護士を会社のサイトに掲載する企業が増えていますが、顧問弁護士も重要で、ガバナンスやリスクマネジメントに加え、知的財産権の知見などを備える顧問弁護士がいると会社の信頼が増し、交渉を進めやすくなります。
企業理念
企業理念が意外に重視されます。企業理念には、どういった層にどのようにアプローチするかや、将来の企業の姿が表現されます。いくら収益があがっても、賛同できない姿を目指す企業に融資する金融機関は存在しません。起業時に企業理念をしっかりと作りこんでおくことが大事です。
遵法性
トップはもとより、従業員に至るまで遵法性の状況も重視されます。
トップは言うまでもなく、遵法性がなければ早晩、不祥事で企業活動は頓挫するでしょうし、違法行為までは行わなくとも、あまりにせこい考え方やハラスメント体質があるようでは、やはり企業の持続可能性に問題があるためです。
従業員も同様で、上記のような傾向のある従業員があると、不都合な内容を改ざん・隠蔽したり、社内でハラスメントが横行するようでは退職者の増加や新規採用の困難など、様々な問題に直面します。
VCが着目するのは企業の持続可能性であり、そのためには目先の事だけ見た考え方や、自分さえ良ければの考え方を持つメンバーがいると大きな障害だと捉えられやすいです。
まとめ
事業自体がいくら秀逸でもそれを回すのが人であるため、従業員に能力や意識が低ければ、事業自体も輝くことはありません。そこで、能力と意識双方を備えた仲間を集める必要があり、これには時間を要するため、起業を思い立ったらすぐに探し始める必要があります。
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