喫茶店の倒産件数増加。コーヒー価格の適正価格は?
喫茶店の倒産件数がコロナ禍後も増加しています。背景には、円安によるコーヒー豆の仕入値の圧迫や、賃上げによる人件費の上昇もあります。
物価高のこの世の中、価格転嫁で自社商品も値上げしなければならないのですが、喫茶店は商品よりも場所を提供するサービス産業であることから、材料費の上昇をそのまま価格転嫁するとすぐに顧客がいなくなってしまいます。
そこで本稿では、喫茶店のコーヒーの適正価格の設定方法を解説します。
顧客の目的によって適正価格が変わる
喫茶店のコーヒーに何円支払えるか、というアンケート結果によると、
駅などの時間調整目的の場合は500円
読書などの1人で過ごす目的では700円
知人と長く話す目的の場合は1000円以上 が、最多価格帯だったようです。
このように、喫茶店は顧客の目的によって適正価格が変わるため、メインターゲットとする顧客を特定して価格設定する必要があります。
長時間利用者には時間比例の対価が適正
ここでまず標的とするのは知人と長く話す長時間利用者。いわゆる「お茶」を楽しみにするこの顧客層は、顧客同士で勝手に楽しんで価値を創り出してくれます。
一方で、こうした顧客には対価はコーヒーの対価ではなく滞在時間の対価を設定するのが適切で、普通の喫茶店よりもネットカフェの方がライバルになりやすいです。
というわけでこうした「お茶」を楽しむ層には、コーヒーも含めて空間演出に投資し、長時間いたくなる空間を提供して、滞在時間に対して対価を設定するのが望ましいです。
短時間利用者には単価は下げるべきだが・・
他方で、時間調整のための短時間利用者からはあまり多くを期待することはできないため、最小価格は小さくして回転率で勝負すべきです。
ただ、注意すべきはこうした短時間利用者は往々にして駅などに多くいるのですが、駅物件は賃料が高くコスト管理が難しいうえ、また、忙しいビジネスパーソンは要求も高いため、安かろう悪かろうカフェには絶対に入りません。
単価の安いカフェで回転率を上げるにのは結構工夫が必要なことを予め認識したうえで戦略設計する必要があります。
まとめ
以上のように、喫茶店の中でも、どのような層にアピールするかで価格設定や商品設計が異なってきます。顧客が重視する要素がバラエティに富んでいるため、喫茶店業では特にどのような顧客層にアプローチするか戦略設計が重要になります。
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