カフェワーカー増加でカフェの収益性が悪化
在宅ワークの広まりに伴い、カフェで仕事をする方が増加しています。私のように守秘義務のある仕事は絶対にカフェのような人目に触れる場所では仕事はできませんが、家ではついダラダラしてしまうため、外で仕事をしたいという方は多いです。
しかし、コーヒー1杯しか注文せずに長時間居座られるとカフェ側の収益性は著しく悪化します。そして、こうしたカフェワーカーの割合が増加傾向にあると言われています。
そこで本稿では、カフェにおける価格設定の在り方を分析したいと思います。
カフェの収益性
カフェの価格設定が商品の対価である場合、店内のテーブル等の施設は無料サービスということになります。商品を購入して外で食べても、店内で食べても同じであれば店内で食べたいというのがノーマルな考えです。
そして、店内施設には多大なコストがかかっています。賃料のほか、従業員の賃金、最近では電源整備が当たり前で、電気代もかかります。
そうすると、「店内での飲食」は明らかに店外飲食とは異なるクオリティで、ある程度回転して集客要因になってもらわなければこうしたコスト自体が無駄になってしまい、はっきり収益性は悪化します。
少し前だと、マクドナルドで午後に学生が100円マック1つだけ購入して長居するケースが散見され、騒がしい学生がいるため、それなりにお金を落とす親子層が敬遠する様子も見られましたが、これなどかなり営業妨害に近い収益性を下げる対応です。
ネットカフェは好調
普通のカフェと異なり、ネットカフェは好調です。普通のカフェとの違いは、①漫画やPCが整備されている②24時間営業で深夜早朝も使用できる、などですが、根本的な違いは価格設定を商品ではなく滞在時間の対価と設定している点です。
あまりコストが高くならないよう注意しながら、できる限り多くの方が長居できる空間を作ることで、滞在時間に対する価格設定が可能となっています。
対策
一般のカフェの対策は大きく3つあります。
1つ目は、空間を整備して、イートインは滞在時間に対する対価とすること(テイクアウトは商品の純代金)
2つ目は、テイクアウトとイートインの価格を(大きく)差をつけること。例えばテイクアウトなら200円のコーヒーがイートインなら900円など
3つ目は、ファーストフード店のように、飲食を終えたら出ないといけないような座席や空間にすること
カフェの戦略として3つ目は考えにくく、かといって12時台などのかき入れ時は食べ終わったら出て行って欲しいが、午後の空いている時間帯は別に長居しても問題なく、複数の手法を併用することも考えられます。
まとめ
カフェの性質からすると、その価格設定は、私は商品対価よりも、滞在時間対価が当てはまると思いますが、それぞれの店舗で様々な苦悩を抱え、工夫がこらされています。
当研究所では、価格設定のルールや収益性への影響等の分析に長けた弁護士・公認会計士・MBAが御社の価格設定問題全般に対応いたします。
下記よりお気軽にご相談ください。
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