農産物もオープン・クローズ戦略

知財戦略

ルビーロマン種流出による多大な被害

巨峰のルビーロマンの種が海外に流出したことが大きな問題となっています。事の発端は、外国人が約束を破って種を海外流出させたことのようですが、このケースでは知人であっても種を分けてはならない案件でした。
このケースは今後、種苗法による管理が重要になりますが、特許の世界ではオープン・クローズ戦略があり、この戦略は種苗法など、他の領域でも有意義な視点を示してくれます
そこで本稿では、新種などの新しい無形資産についてのオープンクローズ戦略の観点を説明します。

収益減となる「見えざる資産」の管理を

「見えざる資産」という概念があります。ノウハウなどの無形資産全般を指す概念で、巨峰の種は有形資産ですが、その成分や栽培方法などは「見えざる資産」です
有形資産は現状を見たり、取得からの経過年数などにより管理ができますが、無形資産の陳腐化のスピードはまちまちで、管理が困難です。そこで、慎重に注視して管理する必要があります。

見えざる資産もマニュアル化などにより、可視化は可能

「見えざる資産」、すなわち無形資産は目に見えず管理が困難ですが、特許申請するなら明細書に書き起こす必要がありますし、ノウハウなどもマニュアル化により「見える化」が可能です。
無形資産は目に見えないため、活用や管理に戸惑う人も多いですが、見える化することにより、活用や管理が容易になると言うメリットがあります

可視化するということはオープン・クローズ戦略の検討を

しかしここで、無形資産を見える化すると他者も活用や管理が容易になる、という問題が生じます。すなわち、無形資産を見える化して、人が把握しやすくすると、他者も活用しやすくなるというデメリットも発生します。
これがオープン・クローズ戦略で、無形資産を開示するか秘匿するかは非常に大きな意味を有します。

どちらが収益性が高いか、安全かという問題

オープン・クローズ戦略の基本は、情報を開示して貸し出した方が得なのか、秘匿して独占した方が得なのか、という観点です。
2つのパターンでしっかり収益性を分析し、また、安全性も検討し、いずれが得なのかを慎重に判断するのが望ましいです

まとめ

以上のように、無形資産全般についてオープン・クローズ戦略の観点が重要で、そのためには知的財産権保護法制と、管理会計双方の観点で分析が必要です
当研究所では知的財産権の案件の経験豊富な弁護士・弁理士・公認会計士が御社の戦略設計を全般的に高度化します。下記よりお気軽にご相談ください。

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