わかりやすい悪を仕立て上げる世の中
「共感」が重視される世の中、わかりやすい悪を仕立て上げて徹底的に叩くネット上の傾向が強まっています。些細なミスなのに次々と拡散されて大炎上になってしまうリスクは無名の個人でもかなり高まっていると言えます。
それでも、初期対応を間違えなければ炎上は抑えられるのですが、なかなか完璧な初期対応は期待できません。そこで本稿では、いくつかの事例をベースにどのようにしてイメージを維持するか、その戦略を紹介したいと思います。
兵庫県斎藤知事のケース
兵庫県の斎藤知事はマスコミの扇動もあってかなり四面楚歌の状態に追い込まれました。
私としても、公益通報者を守るのではなく逆に炙り出して自殺に追い込んだ可能性がある点について歯切れの悪い答弁をしている点はかなり疑問があり、この点は知事職にある以上はどこかで向き合う必要があると思います。
ただ、斎藤氏は四面楚歌の状況を打破して再選しました。状況打開のカギはSNSで、SNSできちんと情報発信を続けたことにょり、斎藤氏の県政に対する熱意など、かき消されていたポジティブな情報が認知され、理解された結果の逆転劇だったと思います。
黒門市場のケース
大阪の黒門市場は元は普通のローカル商店街で、普通に来客が減少してシャッター街化が進んでいました。しかし、難波駅に近いということで、アクセスの利便は良く、ポテンシャルは高いエリアで、そこに目をつけた中国人が次々と高額の食べ歩き店舗を出店し、インバウンドの大きな観光スポットに変化しました。
今や、黒門市場は「ぼったくり商店街」のイメージがあり、日本人はほとんど行かず、インバウンド向けの観光地としての立場を安定させてきました。
実際はぼったくりをしてるのは一部の中国人経営者だけなのですが、マスコミらはわかりやすいメッセージとして「黒門市場はぼったくり」を据えて、一部の悪質な業者を繰り返し取り上げることでそのメッセージのエビデンスをそろえてしまいました。
斎藤氏の当選に見るイメージ戦略の期待
斎藤氏は四面楚歌の状態から大逆転を果たしました。その最大の要因は、SNSを通じた情報発信にあります。
マスコミらがわかりやすい悪を持ち上げようとしても悪であることのエビデンスが必要です。そのため、悪でないことのエビデンスを同程度の出力で出し続けることによって、イメージの悪化や炎上を抑えることができます。
対抗言論の原則
「表現の自由」がある中では、誹謗中傷であっても表現行為である以上、削除はできないと少し前まで考えられていました。そこで考えられた策が「対抗言論」です。他人に悪口を言われても、自身のSNS等で反対意見を表明することで、情報の受け手が公平に判断する機会を確保するのです。
とかくわかりやすい悪を仕立て上げる傾向の強いネット世論ですが、最も確実な対策は、反対のエビデンスを公開し続けることです。
まとめ
斎藤知事の件も、黒門市場の件もごく一部の情報をエビデンスとして叩く材料に仕立て上げており非常ン怖い状況です。不当に自身が築きあげてきたイメージを毀損されないよう、こまめにSNSで反論していく姿勢が今後ますます重要になります。
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