すかすかおせちや崩れケーキが大量販売される根本的な理由

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「詐欺的商品」がこの季節には多発

中身がスカスカのおせち料理や、潰れたショートケーキなどが配達された、というトラブルがこの時期しばしば報道されます。運営会社も確認して立派な会社なのに、という悔しさを感じる方も多いですが、こればかりはある程度の規模の会社であっても、ある観点への配慮が欠如していると普通に起こりがちなケースです。
そこで本稿では、こうした「詐欺的」な商品が配達される根本原因を追求したいと思います。

企画ありきの杜撰なプランニング

まず、こうしたおせちやケーキに共通するのは、大量生産大量販売企画であることです。
たとえばおせち料理は、生産時期が年末という事もあり、受注量だけ生産するという方式ではとても採算がとれません。そこで、ある程度広告も出しながら、収支計画をまとめるために自社の希望する受注量をとろうとする戦略をとる会社が多いです。ここまでは採算をとるための戦略で何も問題ありません。
問題は、「この企画はこの数量で実行するんだ」と、最初から経営者が決めてかかるケースが多い事です。いくら売れるかなど開けてみなければわからないのに、「この予算でこの数量売れ」という結論ありきで臨むとどうしても無理が積み重なってしまいます

いいかげんな調達・予算計画

さらにこうした企画は、実行ありきだからこそ、予算やリソース調達計画が非常にいいかげんであることが多いです。
例えば、次第のある講演会などで主催者挨拶が、予定時間を大きく上回ってその時点で嫌になる経験をされた方が多いのではないでしょうか?これは、企画段階ではタイムスケジュールは適当に書いておいて、当日の気分で主催者代表がべらべらしゃべりだすケースです。
このように、実行ありきの企画書は非常に内容がいいかげんで、実行可能性に乏しいことも大きな要因です。さらに、その要因の解消も現場に丸投げするようでは、最後は破綻してすかすかおせちや、崩れたケーキをとりあえず発送して仕事は完遂した、現場はそう考えてしまうでしょう。

返品による損害は一発倒産クラスの衝撃

こうした不良品を多数発送してしまうと、当然返品が相次ぎ、代金返還の負担も天文学的に膨れ上がります。要は、ほぼ全額代金は返金して、材料費や人件費等は全額支払うため、販売数量の大きいプロジェクトほど、その損害賠償債務は大きくなり、下手をすればその1件だけで破産一直線に陥りかねません。

失なった信頼は挽回不可能

損害賠償債務以上に痛いのが信頼喪失です。一度失った信頼は挽回が困難です。そのため、こうしたケースでは一見の顧客の再来店を失うだけでなく、既存顧客との契約まで失ってしまう可能性が高いことが最大のリスクで、その段階に至って「最初からやらなければよかった」と嘆いても覆水盆に還らずです。

まとめ

以上のように、年末年始のビッグプロジェクトはどうしても実行ありきで計画しがちですが、実行ありきだとどうしても拙速な内容になりがちで、予算やリソース調達計画の杜撰なプロジェクトも、年末年始だからこそ優柔が利かずに大やけどにつながりがちです。プロジェクトは収益や信用を左右する重要なものであるため、1つ1つ慎重に構築すべきです。
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